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2007/10/21  現音・秋の音楽展 

日本現代音楽協会創立75周年 
2007年度芸術監督 三枝成彰


現音・秋の音楽展2007 -大衆性は必要か!?- 10/21→11/4 全4企画+α


日時:2007/10/21(日) 第2部 17:00開演
会場:洗足学園音楽大学・講堂(2号館内)

①器楽アトリエⅣ
 ~伝統と現代、想像と実践の融和~

ワークショップでつくった作品をコンサートで初演します

演奏曲: 三枝成彰作曲 DUO’87~電子オルガンバージョン  
      三弦  野澤徹也氏

      糀場富美子作曲 天頼譜Ⅱ~十七弦と電子オルガンの為に~
      十七弦  篠塚 綾 氏   


   


器楽アトリエⅣ ♪コンサートレポート♪

1部のワークショップに引き続き、行われたコンサートは
~伝統と現代、想像と実践の融和~ということで、
邦楽器と電子楽器の融和、をテーマに作られた作品の演奏です。

電子楽器の一つ、として電子オルガン(エレクトーン)も
選ばれたわけです。

司会をされた、松尾先生のコメントにもありましたが
電子オルガンは、今、たくさん世にある電子楽器のなかでも
抜群にリアルタイム性に優れていて「リアルタイム・シンセ・システム」と
呼びたいというお話が。
電子であるがために、決して無機質になるのでなかく、
すべてがプログラミングされた音楽ではなく
「生」の息遣いが伝わる楽器として、きちんと認知されているのが、とても
聞いていてうれしかったところです。

さて、演奏は…

三弦とのアンサンブル 三枝先生の”DUO”は
三弦ならではの、動きを抑えたクールな演奏スタイルと
その微妙なバチさばきに、しっかりと呼応する赤塚の演奏。
全体にクールに、テーマが繰り返されていきます。
徐々に徐々に、本当に微々たる重なり・変化で高まっていく緊張感。
曲の中盤、バンッと鳴っている音がすべてカットアウト・真空状態になった瞬間
パチパチと拍手が・・
…拍手の主は作曲者の三枝さんだったようで…

とても緊張感のある、こらえた・抑えた中にも、音楽が高まっていくのが
スリリングな、とてもかっこよい曲でした。


天頼譜

十七弦というのは、筝の中でも低音が出る魅力的な楽器ですが、制限が
あったり難しい楽器だそうです。
またそこに、電子オルガンという、なんでもできてしまいそうな楽器!?との
コラボレーション。
作曲された糀場(コウジバ)さんもとても苦労して、演奏する二人とも
いろいろ思考錯誤を重ねたそうです。


演奏する側からのお話として、お聞きしたのは、
楽譜から感じるのは、どれ一つとして、無駄な音がないこと
音の入るタイミング一つをとっても、これだ、という確かなビジョンが
作曲された糀場さんにあるということ。

それゆえに、演奏していて、工夫のし甲斐もあり、楽しく・充実したものに
なったようですが、並ではない苦労があったようです。
赤塚が初めて!!!「弾けないかも」とチラッとでもそういう思いが
よぎったそうですよ!

十七弦の篠塚さんと、赤塚の演奏は、
まさにアンサンブルしている、会話している
それを楽しんでいる、というのが、ありありと会場に伝わっていたように
思います。
素晴らしい演奏でした

十七弦と電子オルガンは、身体の使い方、奏法で
共通している部分がたくさんあるようで、とても興味深く
お話をお聞きしました。
時を越えて、このように、一緒に音楽を作りあえる
楽器が出会う、というのはとてもロマンがありますね。


今後、また十七弦や邦楽器とのアンサンブルが
聴けたら、と切に期待しているところです。
コンサートやワークショップが開催できたらよいですね。